[緩やかに息を吐いて──次に、話すのはいくらかずれた話題が選ばれる。]
公国の、
…交戦派の主流は主に二つです。
一つは、帝国への義憤に駆られているもの。
もう一方は──戦争から… 利益を得ている者達です。
鉄と硫黄の値段を釣り上げて、肥太る連中で、
現状のミュラー領も、そのひとつです。
公国内にいるヤトの民は、領と繋がりながら、火薬や武器の素材を売る商売人として表向き独立している。領のものでなく、定住しないヤトの持ち物であるから公国軍も直に徴発することができない。
利用し、利用されながら、絡みあって互いに己の利益の為に依存しあっている。
今、領と俺の血族との繋がりは、
そういう仕組みです。