[つい先刻まで強く信じていたひとの、甘く酷薄な誘惑の声。『──…………見たい夢を、見せてあげる。』(>>116)]─────ッ!![無意識のうち、己を庇うように両腕を身体に回す。胸元の革表紙には、ひとすじの牡丹色。]