― 従業員部屋・翌朝 ―
[現時点で会心の木炭デッサンが完成したと思った途端、糸が切れた操り人形のように意識を手放した。あとは朝までわずかなまどろみの中を漂う。
温かくしてと注意してくれたカタリナ>>85の声が甦る。]
うん、ありがとう。
今日図書館に行ったとき、くしゃみ二度もしたからクララさんにも心配された。気をつける。
[そのときは素直で聞き分けの良い弟のように頷いた。
朝を迎えて、従業員部屋にアルビンの捜索を募るレジーナがやってくる>>85。
続いて聞かされるリーザの捜索にも、はらはらしつつ「無事見つかるといいですね。」と二人の安否を気遣う気持ちを前面に押し出した。
何故ならアルビンが戻らないことは知っているし、リーザは目の前で消えた場面を目撃した。
今更二人がいないことでは驚けない。]