はっ!!
[ ギデオンの意図を悟ると同時、槍を引き戻すには、間に合わない、と、判じ、穂先を上に立てるように柄を回転させて、剣を受け止めようとするが、一瞬遅く ]
っ!
[ 足元狙って横薙ぎに鋭く揮われた青銅の刃の一閃が、前に出ていた右の膝下を切り裂き、甲板に朱の軌跡を散らす。 ]
はあっ!
[ しかし、そのまま、足を踏みしめ、男は槍の柄を掬い上げる動きで、ギデオンの身を跳ね飛ばそうと試みた。
よしんば彼の身に届かずとも、後方か横に逃げてくれれば、間合いを取り直す事が出来るという算段だが、足の傷がどう動きを制限するかは、未知数だ。** ]