[そちらをみれば、少年が思い出を語る。祖母と、祖父と少年の。改めて音楽を奏でる機械を仰ぎ見れば、一定のスピードでゆっくりとした音楽を奏で続けており――] そっか。[祖母との思い出はいくつか聞いたことがあったけれど、祖父の知り合いでもあったらしい。今の話を聞けば二人は恋敵のようなものだったのだろうか] 二人、仲良かったからなぁ。ばーちゃんとじーちゃん。[しみじみと懐かしげに語られる思い出を聞けば、ぽつりと洩れる] …二人から聞いてみたかったな。お前の話も。