[その時ふと、眼下の青に別の色が見えた。青を切り裂くように二翼が上がってくる。複葉機?と認識すると同時に、機体から眩い火箭が放たれた。>>110] 陛下っ![反射的に身体が動いていた。何をどう庇うつもりか、後で考えればわからないだろう。けれどもともかく、床から跳ね起きて身体を投げ出していた。不意打ちで飛びかかった、と取られる危険も、失念していた。*]