― ベルサリス学館 ―
[ルディが連れてきたという異邦人の第一印象は、
なんというか、派手な男、だった。
言動の一つ一つに華がある、ともいえる。
連れて行った漂着者の男と硬く抱き合って再会を喜ぶさまは
いささか珍しいものを見る目で眺めていた。>>110
親類には見えないけれど、特別に親密な仲なのだろうか。
そんな興味は、彼の名乗りを聞いたときに吹き飛んだ。]
皇子で、外交官?
[足元が揺らいだような気がした。
何かで殴られたような衝撃を覚えた。
"時が来た"
戦慄と高揚と。相反する感情が身体を熱くする。]