― 回想・ある農業国の王様との出会い ―
すまない。誰かいるかい?
[旦那や息子の行商に付き合うことがあるが、途中で、騎士としての仕事を全うするために別行動をするときがある。その日もそんな日であった。
二人と合流するために馬を走らせたかったが、あいにくの大雨にて、予定の半分ぐらいしか進めなかった。そのせいであいにく宿をとってもおらず、その雨のせいで同じく足止めを食らったものたちのせいで宿の空きもなく、結局尋ねたのは農村の民家の一つ。青年とその妹が住まう家であった]
私はナネッテ。初めまして。急にすまないね。ただ女一人旅で泊る場所がなくて困ってるんだ。せめてこの子を休ませてあげたいんだが、軒先でいいから貸してもらえないかい?何か力仕事でもできることならするから頼めないかい?
[この子といって乗ってきた馬を示しつつ会ったのが最初の出会いであった]