[ それでも、仲間を守るためには…… 居場所を突き止めたら、父がするだろう攻撃を止める為には。 そうするしかなくて…結局は手遅れだったけれど。 「見捨てない、最後まで守る」と約束した弟を、 独りで死なせてしまった私には。 ”ほんとうは、護ってほしい”なんて、我儘は言えなかった。 指先が少しだけ震えたのには、気づかれなかったならいい。 彼に残る愛用の葉巻の微かな香りに、 ごめんなさい、と、さよならを心の中だけで、告げた。 ]