― 王宮 門前 ―
[わたしはこの時>>118、銃を構える隊列の中に居た。
アイリ総督のすぐ背後に控え、銃口は正確に監査局長を捉える。
この距離なら、絶対に外さない自信がある。
わたしは上官の合図を待ちながら、微動だにせずに彼らのやり取りを聞いた]
(今、わたしが取るべき最善の選択肢はなんだろう?)
[喧噪の中にありながら、わたしの心の中は今とても静かだ。
冷静にこれからを考える]
(この叛起は、失敗する)
(一時的に王宮を制圧できたとしても、断罪は逃れられない)
(彼女は王にはならない。おそらく、フェリクス王子が健在であれば逆らえない)
(国家への反逆罪として捕らえられ、投獄され、処刑される)