[紡ぎかけた言葉は、視界の端でするりと何かが動いたことで途絶えた。
視線だけを横に動かせば、朧な人影が6(10x1)体、玄関ホールを取り巻くように現れるところだ]
でも、その前に雑魚を蹴散らしてからになりそうだわ。
雨の洋館に、朧な幽霊。
随分と似合いのシチュエーションで嬉しい限りね。
[物理攻撃が通じるのか少々不安になるところだが、魔女の武器なら何とかいけるだろう。
こういう時、本当に派手な攻撃魔法が欲しくなる。
エレオノーレの魔法と、雨という天気は実に相性が悪い。
光がなければ、影もまた希薄で曖昧なものとなる。
だから、繋ぐに足るだけの濃度を持つ影が減少するのだ。
君は暗闇の中だと無能、とリエーフは言う。
エレオノーレとしては、暗闇も立派な影だと思うので、“影”と認識されないのが地味に納得できない]