―食事にありつくまで―
[なんとか俵担ぎの状態から、頭を水平に保つことに成功し>>119
幾分ほっとしながら、HK-099の名を耳にする。]
あぁ、なるほど。HK型か。
私の家にもいたよ…おまえの兄弟機が。
[懐かしむように、すっと目を細め。
父に似てはいたけれど、父と同じになれなかったもの。
母の希望には沿わなかったかもしれないが、
それでも『彼』なりに、一生懸命努めてくれたのだろう。
安定性を重視した量産型。一見、面白みはないけれど。
目の前にいる『彼』は、「気分が悪い」の意をよく解して、
適切な――それが成人男子にとってかはさておき――、>>118
期待する答えをきちんと導き、提供できる能力を持っていた。]