[やがて体の震えは治まり、腕を緩めて彼女を離した] ……僕は、君の笑顔と前向きさに、どれだけ救われてきたか分からない。 この世に救いなんてないと思っていたけれど、それでも君と話していると、気持ちが楽になるのを感じていたんだ。 ……ありがとう。[これからすることを思えば、生きて帰れる保証などどこにもないのだけれど、フリーデルとことがあったばかりでそれを告げるのは――余りに酷だ。だから何も言わず、帰る標となるように、エルナの瞳を心に焼き付けて――ひとり、食料庫を出た**]