― 山小屋付近の森 ― く……![力を籠めた指が白くなり、鎖と擦れて血が滲む。 それでもただ待つよりは速く動けると賭けてのこと。 力任せに引き抜いた分銅がゾフィヤの方へ飛ぶが、容易にかわせるだけの間はあった>>113] 来るなっ![強引に鎖を引いた両腕も、全力で斜め下へ加速した後翅も、咄嗟に動きを変えることは出来ない。 苦し紛れにバタバタと羽ばたきつつ足を振り回すが、飛び込むゾフィヤを振り切るには一歩及ばなかった*]