フェリクスっ…!
誰か 呼んでくれっ!
[そう叫び意識を手放す。
もっとも、
その時にはフェリクスに自分の声が届く状態ではなく>>112…
ジェフロイの声は虚空に響いたきり
― 夢うつつに 5年前に失った 親友に会った
笑って近づいて来ると、私の中に融合するかのように
触れた場所から光の粒になって私を包み込むように消えた ―
その身体はジェフロイの意識を遠ざけてゆっくり変化を遂げた。
無数に残る傷跡は 跡形もなく消え去り 犬歯は牙となる
その瞳は暗闇で紅く輝き 獲物を狩るときには爪は自在に刃となる
吸血種であれば備えているであろう身体特徴を一通りは持ちながらジェフロイの見た目はほとんど変わる事が無かった]