それは確かか?生存者は?...ほぼ全滅?
[ ぎり、と、己の右腕を掴む左手の指が食い込む ]
『大佐…大丈夫ですか?』
[ 怯えたように報告する兵が問いかけるのに、首を振る。余程顔色が悪いのだろうとは、血の気の引いた感覚から知れた ]
大丈夫だ、構うな。提督には俺から報告する。
[ 個人的な感情に振り回されている場合ではない。それは充分に承知していた。
だから迅速に事態をゲオルグに伝え、必要と思われる艦隊編成の手配と伝令を数カ所へと走らせ…漸く、その名を口に出来たのは、全てが動きだし、男の行動に、一瞬の空白の間が出来た時だった ]