人狼物語−薔薇の下国

283 少人数で人狼BBS人狼騒動RP村3 ― 白銀の村 ―


パン屋 オットー

―回想・約十年前の冬@―

 [それはまだ、自分の中に感情が在った頃――などと、これが小説であればそう語り出すべきなのかもしれないが、生憎と感情が無いのは生まれつきである。
 言うなれば、元から殆ど枯渇しきっていた心が、完全に砂漠に帰したときの話である。勿論、悲劇的な昔話が語られるわけでもない。
 これは、元から感情のない自分の、未だかつて誰にも話したことのない、何てことのない過去の話。]

 [その年の冬は、例年よりも早く訪れたなんてことはなく、おおよそ例年通りに訪れた。
 村と外界をつなぐ道が封鎖された最初の日、その日は吹き荒ぶ風が悲鳴を上げるかのように跳ね回り、木々へと襲いかかっているかのようだった。空間そのものが、酷く暴力的なもののように感じたのを、今でも脳裏に焼き付いているかのように、鮮明に覚えている。]

 
 ん、やっぱり完全に塞がってる。

 [それは誰に頼まれてか封鎖された道を確認しに行ったときのこと。その時にはすでに両親を亡くしており、村の人に助けられつつ、周りから自身に向けられる望みも上手く絡み合いながら、奇跡的にも生き延びていた。

(121) 2014/12/13(Sat) 02:08:05

SWBBS V2.00 Beta 8++ あず/asbntby