[運良く蹴りは相手に当たった。後ろに転がって距離を取る敵を睨んで、こちらもふらつく両足に力を込めて、体勢を立て直す。前進して追い討ちをかけるほどの余裕はなかった。呼吸を整え、三度構えを取る。左足を引き、右半身に剣を立てて相対し、より一層冷たく硬く面を引き締める。ダメージを窺わせるような乱れを毛ほども感じさせないように。長期戦を覚悟していた。ただ、時間が惜しい。]