― テラスにて ―[城で働く幸運な侍童は、不幸にも吸血鬼の手の中へ。だが、なぜそれが不幸だと言えるだろう?それ自体が繊細な美術品たる魔女の手に、唇にて触れる栄誉に浴したのだ。望外のことと悦ぶがいい。手を繋ぐ彼女らの、一幅の絵のごとき美しさよ。>>112少年らの中から取り置いた己の審美眼に満足して頷く。]