[様々な曲を歌い、大きな拍手と共にお辞儀をする。人が疎らに席を立ち始めた頃、…は見知った顔を見つけた。]
…あれ!?ルートヴィヒ!君が宿にいるなんて!ちょうど今日会いに行こうと思ってたんだよ!ここで早く会えるなんて嬉しいな!
それに、ラヴィ!あれ?君、見ない間に凄く大きくなってるね!初めて会った時はあんなに小さかったのに!
そうそう、君達にお土産があるんだよ。
[…はそう言って一度宿の二階に上がり荷物を漁る。目的の物を持って階段を駆け下りた。]
はい、ルートヴィヒには「珍しい野菜の育て方の本」と「ロップイヤーの育て方の本」だよ。
この野菜は見た目は茄子に似てるけど色は赤色で、触感は胡瓜に似てるんだ。でも胡瓜より栄養があるみたいだよ。あ、これは種!
うさぎの本は帝都で買ってきたんだよ、この表紙のうさぎ、ラヴィにそっくりだと思わない?
[上機嫌に話しながら本を二冊と小さめの革袋を渡す。]
ふふふふ、ラヴィにはルートヴィヒの本を買った国で手に入れたフルーツがお土産だよ。珍しいフルーツが食べたいって言ってたよね?
[そう言って大きめの革袋の中身を取り出す。袋の中に籠が入っており、中にはこの国にはない果物が入っていた。]
これはね、葡萄みたいだけど皮が厚いから剥いて食べた方がいいかも、とっても甘くて美味しいよ。こっちは緑色の皮のバナナに似てるけど中身は瑞々しいんだ。
そうそう、かなり遠い国のフルーツだけど、この革袋に入れてたから腐ってないよ。旅の途中で会った魔術師の氷の魔法で、この袋に入れていると冷蔵庫みたいに補完できるんだ。魔法って凄いよね!
気に入ってもらえたかな?
[相手の前に籠を置きながら矢継ぎ早に話す。友達と話すことが、歌うことと同じくらい大好きだ。]