[此処で帝国を止めるが使命と定めた“鉄門”たる巡洋艦2隻に、動く様子は見られない>>99。
それは背水の陣にも似たもので――
賭した覚悟が、一層の強さを彼らに与えるかのようだった。
ロー・シェンの口元に、苦笑とも笑みともつかぬものが、…ふ。と滲む。]
、どちらも度し難い頑固者だ。
[そうして操舵手に命令を下す。]
アストラ、取り舵5度。最大戦速は続行。
これより巡洋艦の間を縫って前に出る。
[一斉掃射を引き受けている巡洋艦は、そろそろ限度と判断した。
もし此処に巡洋艦ヘイゼルがいたら、あるいはもっと戦局を上手に掻き乱してくれたのかもしれないが…、
今はこの戦力で、出来得ることを成すのみだ。]