― 脱衣所 ―[ごくごく薄く緑色に染まった水を滴らせながら血の導くままに、脱衣所へ踏み込む。飢えに支配された思考は、もっともなじみのある血を、己の一部を含む滋養を求めた。拭き掃除をしている蔦の群れ>>107 には目もくれず、視界に映る鮮やかな色の塊へ、手を伸ばす。飢えに押しつぶされた理性が抗おうとするも、衝動に突き動かされた身体は止まらず、荒い息を吐きながら、ツェーザルを抱きすくめようと両腕を広げた。───]