クールに決めたいと思っていた。
決して今よりも悪い事にはならないと、明日も変わらずにお日様は昇るのだと、信じていた。
[ぽつり、ぽつりと語る。
パン屋のオットーが何かを決めたかのように。]
正直に言おう。カタリナ、ディーター。特に君たちには謝っても謝りきれない。
これまでみんなが天へと昇っていった時だって、僕は涙すら出なかった。
心のどこかで、ワクワクすらしていた。ここで村を救えば、僕は本物の救世主になれる。僕の名前は歴史に刻まれる、そうとすら考えていたんだ。
[彼の瞳に、熱いものが浮かぶ。
美しく見えて、それは全てを焼き尽くしてしまう光。]