こんな時に言うのも――いや、こんな時だからこそ、か。 僕はね、あのテープを使ったエプロンが完成するのを楽しみにしているんだ。 春がくれば、また旅に出るけれど、冬になれば戻ってくる。次は何を、お土産にしようか。[腕の中の彼女に語る言葉は遠く、この騒動の先を見ていて、それは自分に言い聞かせるようでもあった]