――町外れ。>>116>>117レト
[あれからどれほどの時間が経ったでしょう。そろそろ肌寒くなってきた頃でしたが、寒さに強いエルフは宿には戻らずこのまま野宿をすることも考え始めていた頃でした。]
……ふ、え?
[不意にかけられた声に、間抜けな声が漏れます。そして顔を上げる間でもなく、俯いた視界に彼の顔が映り込んだのでした。
心配そうな顔で、頬に手を伸ばされればエルフの顔はくしゃくしゃの泣きそうな顔へと変わります。]
れ、レト……なんで、ここにいる、ズラ…?
エレ、約束守れなかった…待ち合わせに行けなかったズラ…なのに……どうして……ズラ!
[そして、ハッと思い出したような顔になり、エルフはキリリと眉を釣り上げたのでした。]