― 砂漠の街 ―[砂浜を抜け、馬蹄が土を踏む感触に変わったところでふとまた風景が変わる。降りしきっていた雨は消え失せ、代わりに痛いほどの陽光が降り注ぐ。気づけば両側に土煉瓦の建物が立ち並び、むこうにはバザールの色とりどりの屋根が見える。そんな、街の大通りを歩んでいた。]―――ここは…サブラか?[見知った町並み。だがどこか違和感を感じる風景。それは、人が誰もいないということだけではなく、なにか歪なものを感じさせる。]