[ 風のブレスを放ちながら急降下した風竜は、身に纏う風に、巨狼へとぶつけられていた仲間の騎竜の力をも巻き込み、ぐるりと身を捩るようにして、下降から再び上昇へと転じる。
その位置は、半ばまで跳躍した巨狼の丁度、顎の下。 ]
はああっ!!
[ 危機を感じたらしい巨狼が、闇雲に揮った爪が、眼前に迫ったが、それに頓着することなく、風纏う騎竜の背で、カレルは、頭上に掲げたツーハンドソードを思い切り振り下ろし ]
ッ...みんな、離れて!
[ ぴりり、と、肩に走る痛みは、巨狼の爪が掠めたせいか。それを確かめる余裕もなく、カレルは風竜の背にしがみつきながら声を張り上げた。 ]