ハナ……と、言うのですね。
[ 彼女が店の中に入って行ってからその"ハナ"たちを見て
ポツリそんな事を呟いた。
"ちょこれえと"と"ハナ"と"優しい人"と。
今日は新しいものにたくさん出会えるいい日だ。
そうだ、これが上の狙いだったとしても
ここにご主人がいないのだとしても
この船が向かう先に絶望しか無かったとしても
今日という"幸せな日"をくれたのは上の人間。
何とも皮肉な話だがそれが事実なのだ。
今日という日を糧にして、これからも生きなければ。
店から戻ってきた彼女の手には
可愛らしい色の"ハナ"が握られていた。 ]
……………ぇ…?
[ その花を目で追っていけば徐々に大きくなって
最後には自分の視界いっぱいに広がった。
彼女の声で視線を上げ、ぱちくり。
差し出された、という事はもらっても良いのだろうか。
いや、しかし先程この女性は>>66
"花をお求めなら買って行って"と言っていた。
つまり今、私の為に買ってくれたのだろうか。
自惚れすぎではないか? ]