― 氷の橋上 ―[――…見事に凍りついた氷の橋。冷たく輝く足場を蹴って走る。靴底の金属が氷を引っ掻く感触。どこの地方の雪道に近いだろう。頭で考えるのではなく、身体が順応するに任せる。白い服を纏った彼が滑るように走るのを、横目とはいえ視認できているのは問題ではあった。位置的に] ――…まあ、無理か。[喉の奥だけで小さく呟いた。指揮官には、本当は後方にいて欲しい、のだが]