[ 狐面の左耳の鈴と
目の前のモーリッツというお爺さんにあげた鈴から
かつて小さなモーリッツと遊んだ
若い男の左耳で鳴っていたそれを 思い出すのは
できるかもしれないし 難しいかもしれません
それでも 鈴を ”大事にするから”
少年を ”大好きじゃよ” と言ってもらえれば>>76
( ボクも好きだよ…大好きだよ! だいすき…
……莫迦だなあ 俺は
ニンゲンなんかに心を残しても 後で自分が哭くだけなのに )
そうは思っても やっぱり嬉しくて 寂しくて
少年の 金色の瞳は滲むように揺れて
たまらずに 小さな両手で
お爺さんに ぎゅうっと 抱きついてしまいました ]