いいえ、私の方こそ図々しく居座ってしまって。
相変わらず薬缶も茶缶もお行儀がよくて驚いていたところです。
[キッチンに入ってきたベネディクト>>115にむかって、先ほどよりも幾分か緊張の解けた口調でそう答えると、ふっと懐かしむように、手元のカップに目を落とした]
そういえば彼女、行儀にだけは厳しかったですものね、それとも執事さんの仕込みでしょうか?
彼女は「自分が命令している」なんて言っていましたけど、私はこっそり、実は執事さんの方が魔術師なんじゃないかって思っていました。
だってそうでしょう?
執事さんって、気づけば居たり居なくなったりするんですもの。
[くすりと笑って目をあげたとき、彼の後ろにいた男>>117に気がついた]