[ カナンの依頼に、ギデオンが了承を返すのを確かめると、男は静かに王弟に頭を下げた。次いで、その視線を、自分同様、会見の成り行きを見守っているベリアン>>105に向ける。 ]ベリアン・グラウコス殿、私は、貴殿に詫びねばならない。今の話でお察し頂けたかとも思うが、私は、これまで、少々言動に制限のある立場にいた。我が叔父の愚行に巻き込まれず、命を守るためには、本心を隠す必要があったからだ。