人狼物語−薔薇の下国

502 温室世界の住人たち


【見】 千花の魔導師 ベネディクト

 ……先にも話した通り、『この場所の出来事』は、基本、忘れる方向で術式をかけています、が。

 心に作用する術というのは、完全な形で仕上げる事は、ほぼ不可能……いえ。
 本来、許されるものではない、と思っています。

 ……ですから、覚えていたい、と願う事を止める事は。
 ぼくには、できませんよ。

[嘆息と共に吐き出したのは、遠回しの願いの肯定]

 ……ただ……願わくば、その記憶に潰される事のないように。
 それだけは、祈らせてください。

[静かに言葉を綴った後、翡翠と橙の光をふわりと灯す。
二色の光が散り、帰還がなされた所で、魔導師は最後に残った雪色の許に佇む花精へと目をやった]

(119) 2018/07/01(Sun) 23:28:28 (tokiwa)

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