[ だからこそ。
彼女が傷ついたのは自分でよかったと、言ったとき。
サーラがいなくなれば"絶望する"と。
彼女に言わずにはいられなかった。
例え、それまで彼女自身が、
自分のことをル・ウルタールの跡取り――…
…ソールの代わりだと思ってきたとしても>>87
彼女の周りの人間すらもそう思っていたとしても。 ]
君は誰かの代わりでもないし、
誰も代わりになることは出来ない人なんだよ。
名前や容姿が幾ら変わってしまっても君は君だろう。
その君が傷ついたら同じように傷つく莫迦も居るんだ、
……それを、覚えていてくれ。
[ 心臓を直接掴み取られるように、
死神に命を奪われるときはこうなのかと錯覚を覚えるほどの、
身体の奥底の芯のような部分を冷たい手で掴まれたような感覚。
もしも、サーラの命が失われてしまっていたら。
そのまま見えない"死神"に心を殺されていたかもしれない。
……彼女の口から聞いた、彼の人>>4:147のように。 ]