[赤錆色に染まった刃。ああ、また手入れに時間がかかるな、と思う。遠く離れた馬影はもはや点のようにしか見えない。] (………背を追いかける理由まで、変わっちまった)[使い込み手に馴染み切ったブロードソードを柄に収める。これを己に授けたひとは、あの時、何を願っていたのだろう。恐らくはもう、語られることはないのだろうが。**]