俺が信じて居たのは先生だけ、そして、先生は、…ジェフロイを信じると言っていた。
「俺の仲間」なんて、最初から、…誰一人居なかったじゃないか。
俺の敵はルージュじゃない、ジェフロイでもない、ブランでも無い、
……――此処にいる全員だ。
そんな状況で堂々と在れ?無茶言うな、……出来るならやって見せろよ。
それでも、いつか、先生の役に立てばと、名乗り出た。けど、もう先生は此処に居ない。
俺は、勝利なんて興味はない、ブランの勝利も如何でも良い、「先生の仲間」の勝利だって如何でも良い。
先生の、役に立てないなら、もう、何時止めたって良い。
俺は、本物であれ、裏切り者であれ、鑑定能力を持つ、これだけは揺るぎ無い事実だ。
そうやって自ら、判断材料を逃したいなら、すきにしたらいい。
[只の八つ当たりの、独り言。自覚はあるけれど、零れる言葉は止まらなかった。誰かに届けた訳では無い、だから、彼が、誰かが、誰一人としてこの言葉を拾わなくなって構わない…*]