―戦場:東側―
そうかい。
……口調の割にゃぁ、”参った”って感じはしねぇけどなぁ。
[>>106 飄々とした風体を崩す事なく、老いた智将は言葉を紡ぐ。
戦火の最中に居ても、そのペースを崩さないことは。
それだけ、戦争に慣れている証でもある。
今、この瞬間に弓で射られたようとしても。
この智将なら、きっと飄と躱してしまうのだろう。
体躯の差ではない、経験の差だ。
コリドラスから覚える、底しれなさに、マーティンは少しだけ汗をかいた。]
まぁ、お前さんにゃぁ、
さっき良いところで”横槍”喰らっちまったからなぁ。
多少、狡い事はするんじゃねぇかと焦ったのさ。
[そう言って先程の恨みをぶつけるがごとく、真っ直ぐ返答して。
緩く錘を突きだされようとも、全く動じることなく。言葉を続ける。]