[はっとして振り向けば背後にのたうつ蔦があった。蔦の中に先の女性が取り込まれ、蔦に貫かれた腹部から血が溢れている。視界の端で黒猫だった男が走り去っていったが、なおも襲い掛かってこないなら幸いだと思うことにする。彼女を絡め取る蔦を払おうと手を伸ばしたところで、自身もまた、死角から這寄る蔦に足をすくわれた。]