南島から距離の近い此の地を治める貴方に、後詰めをお願いをしても良かった。けれど、[その時、ふ、と何かに気づいて、視線を足元に落とす。早咲きの蒲公英が、まるい柔らかな綿毛姿を春風に揺らしていた。ゆるりと身を屈めて、巫女姫は手入れされた白磁のような指先を下草に伸ばす。其れを詰むでなく、梳るように二本の指の合間で扱いた]