[遠めにも目立つ白い軍服は、今は煤と周囲の火に赤い影を負って見える。金色の髪に、見覚えがある気がした。緩んだ速度を上げながら、曲刀を握りこむ。]──大佐![背後から促しをかけるように、鋭く声を投げながらも、"ディーク大佐"と、常のようには名が呼ばれない*。]