[黒獣との間に、歪ながら師弟の関係が結ばれたかは彼女の忍耐と根気次第。 決してひとを導くことに長けた獣ではなかったが、自ら放り出す無責任な真似はしなかった。牙も無く、爪も無く、儚げな娘であったが―――] その心意気、ゆくゆくは魔王様の財にも数えられよう。 よく励むのだぞ、娘よ。[獣にとっては同じ志を持つのならば、種が違えど、躰が違えど、等しく同胞であった。*]