―回想:天使が見守る村―
[平和を絵にかいたような光景に混じってはいけない色が、ひとつ。まるで泥のようにどろりと流れ込み、穢した―]
…っ!?
[新郎新婦が、そして彼らにふりかける為の花びらを籠いっぱいに詰め込んだ村人たちが、聞きなれない言葉遣いの闖入者を見た。
そして自分も―その存在が纏うおどろおどろしい魔の力を感じて立ち上がり、開いた両手に光の粒子を集める。]
(しまっ――)
[だが愛用の武器を具現化よりも、闖入者が新郎―彼に縋る新婦共々―を掴み、視界に収めるのすら嫌悪の感情が先走り下唇を噛みたくなる汚らわしき、魔族としての姿を露わにするのが先であった。>>41]