ーシルバーメリー号 廊下ー
[スタスタと目的もなく、既に歩き慣れてしまった廊下をゆっくりと進む。もう少し道を逸れたら食堂等もあり、それなりに人もいるのだが。人と関わりたくない訳ではない。目的もなくそんなとこにいて、話しかけられたら返答に困る事が目に見えているからだ。
もう何往復しただろうその道をまた戻る。医務室、という表示が浮かぶそのドアが目の前にきた。]
−よし!
[あえて一際大きめの声をあげてドアをくぐる。
―そこには金髪の、ミサンガをつけた操縦士がいた。>>49]
ーっ!死にたい!
[医師とも思えないその考えは決して口にはでていない。まだドアの前の台詞を聞かれていたと確定したわけではない。だが、顔があつい。コクーンにでも駆けつけようか。
いたたまれなくなった彼は顔を向ける事ができなかった。用事はわかっている。定期的に薬をもらいに来てるからだ。]