そこの人! ああぁやっぱり怪我してる……。あんまり動かないで、今からそっちにいって私、魔法でその手治すから。[手だけで済んだみたいなのは僥倖だ、とそう思いつつ。岸壁に身一つで降り立てば怪我をしている島の住人らしき少女の手をとった。そう――少女だ。年の頃はミリアムより少しばかり下か。手に手をかざし、傷を癒し痛みを洗い流す水の輝きで少女を包みこむようにしながら呟く]強いね、私だったらこんなヤケドしちゃったらえんえんと泣いちゃうもの。