― 城下 ―[城下へと向かう道すがら、吹き抜ける風に乗り、鮮やかな色の花弁が幾つも舞い降りる。>>94 思わず手で捕まえたりしながら、心地よき風と華やかなる風情に、先に見た木気司る守護神が重なった][そうして辿り着いた市場は、故郷では滅多に見られぬ程の賑わいよう。 これでも祭の時ほどではないというから驚きだ。 各地より集められたという食材や、物珍しい品の数々を飛び回るように見て回り、あっという間に財布を空にしてノトカーに叱られたりもした]