[それから、どれだけ時間が経ったのだったか。
持ち歩くヘッドセットの方にではなく、
自分の通信機の方へ唐突に通信が入った。>>117
ダーフィトは眉を顰める。
表示された相手の名は、船内の誰の名前でもなく
ただの――unknown――名称不明者。
…今の状況でこんな手段を取る者など一人しか思い当たらない。
一瞬の逡巡の後、通信に応じれば、やはり相手は>>117]
…やっぱりアンタか。
どうやって俺の連絡先を知ったのかは知らねえが、
俺の方もアンタに尋ねたいことが山ほどあるぜ。
人気のない場所…ねえ。
じゃあ、俺の私室で待ってる。
他の人間は余程の用がなけりゃ来ねえだろうさ。
[怪しげな呼び出し文句だったが、
ダーフィトは一も二もなく承けることにした。]