―――――……不思議ですね。
でも、声が、聞こえてくるようですよ。
[そう言って、柔らかく唇の端を上げた。]
初めて貴女と出会った時の事、覚えていますか?
私はあれから――――……変わったでしょう。
[もう、シュビドの空のような煌めきは、自分の双眸には無い。
ブラバンドの内政に廃れて、強欲に溺れて、その軋轢に耐えうるだけの牙を得て。
気が付いた時には、周りには誰一人、居なかった。]
でも貴女は、綺麗なままで――――……
そんな風に、想っていたのですがね。
[そして拒まれなければ、その手を優しく取って。]