人狼物語−薔薇の下国

144 クルースニク、襲来!


修道騎士 バルタザール

[脳は本来痛みを感じない。
バルタザールの激しい頭痛の正体は、器質的なものではなく、「吸血鬼としての己」と「修道騎士だった己」を隔てて、互いに干渉させないように並列処理している過負荷である。

無意識下で、このふたつの人格を統合すれば、生命すら危ぶまれる壊滅的なダメージを受けると了解しているからこそ、決して交わらせないようにしているが、それによって受ける精神的なストレスは凄まじいものがある。

加えて、血脈を通して血族と繋がる拡張意識の成長も、それまでにない機能を学習するストレスが、更に負荷をかける。

ソマリとの対決とギィの復活は、辛くも保っていた両者の均衡を突き崩した。
負傷した肉体よりも、膨大な情報を捌く精神の方が、限界に近かった。]

(118) 2014/02/23(Sun) 17:17:29

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