[彼が望んだ訳ではない。己の我が儘だ。自分の願いの為だけに動く、ひどく自分勝手な行動だと自覚して尚、その唇は止まらない。] 貴殿は野茨公を裏切らない。 そうでしょう?[それは、確認よりも呪縛に近い言葉だった。答えを求めない問いは、深い笑みと共にジークムントへ投げられる。そして視線は、再び生まれたばかりの吸血鬼へ戻った。]