―王宮 門前―
『黙れ!そう言ってまた邪魔者を消す気だろう!』
[傍らの軍人どもが騒ぎ出す。腕を横に制してその暴言を止めるが、アイリの表情はその言葉を受けてもピクリとも動揺は見せない。
むしろこの軍隊を前にして、それだけの数で止めにきたのは見事と感心しただろう。
しかしアイリがそれで止まることもない。その冷静な言葉を前にアイリの口調も静かな冷静を伴う言葉に変わっていっただろう]
調査結果に関しては、
今ある情報も含めて洗いざらい話してもらおうか。
王子二人にその全てを判断をしてもらいたいと思っている。
調査をする分にはいくらでも我々も手を貸そう。
そこにいる者達の何人が、真実を話してくれるのか楽しみだな。
しかし、近衛兵には悪いがお休みしてもらう。
守ることも出来ず捕えることも出来ず
この宮中において彼らは何をしているのだ。
国家の危機に無能な護衛はいらぬ。
もしかして近衛兵とて殺されるのを見逃したんじゃないのか?
北の守護は国家あってのもの、
その国家の危機にダニは掃除せねばならん。
悪いが大人しくしてもらおうか・・・・・・
[ゆっくりと腕をあげて号令の前仕草。
撃てとは言わぬ。捕らえよとの合図を行う気ではいるが、最後に彼の言葉に耳を傾けようか。*]